【体験談】50代女性の恋愛「人生に、まさかこんな素敵な贈り物が待っているなんて」

ある50代女性の体験談です。

誰かの体験談を聞くことは自分の人生に少なからず影響を与えます。それは主人公と自分とを重ねることで脳が自分に起こった出来事?と錯覚して引き寄せが働くからです。

50代で素敵な出会いはたくさんあります。人生の恋愛エッセンスとして楽しんでくださいね。



人生に、まさかこんな素敵な贈り物が待っているなんて

私は55歳で名前は弘子。5年前に離婚し、26年間の結婚生活と2人の子育てを終えた今、思いもよらない人生の新たなステージを歩み始めています。

すべては、50歳で迎えた突然の別れからです。長年連れ添った夫との離婚は、私の人生を根底から覆すもので、それはそれは辛いものでした。

慣れ親しんだ家庭生活から一転、一人暮らしの寂しさと未来の不安に押しつぶされそうになり眠れない日々を過ごしながら人生のどん底を経験しました。

誰にも話せないほどの孤独感に苛まれ、このまま一人で歳を重ねていくのかと思うと、涙が止まりませんでした。

だけど、人生というのはいつも予想外の展開をもたらすもの。

半年ほど自宅に引きこもるような生活を送った後、私は一念発起して地元の喫茶店でパートの仕事を始めました。最初は気晴らしのつもりでしたが、この決断が私の人生を大きく変えることになるとは、その時は想像もしていませんでした。

喫茶店での仕事は、思いのほか楽しいものでカウンター越しにお客様と交わす何気ない会話が日々の小さな喜びとなり心が軽くなったのを覚えています。「いつもの」と言って注文してくれる常連さんたちの顔を覚え、その日の天気や世間話をする中で、少しずつですが、社会とのつながりを取り戻していく自分を感じました。

そんな日々の中、ある常連のお客様がとても気になるようになって。週に一度、いつも同じ時間に現れる紳士的な男性。年齢は私と同じくらいでしょうか。最初は普通のお客様の一人でしたが、彼の柔らかな物腰と知的な会話に、いつしか惹かれていることに気づいたのです。

彼の名前は健太郎さん。毎週土曜日の午後3時、彼はコーヒーを一杯注文し、静かに本を読んでいました。ある日、彼が読んでいた本が私の好きな作家の作品だったことから、自然と会話が弾み、その日以来、彼が来店する度に短い時間ですが、文学や映画、時には人生について語り合うようになったのです。

健太郎さんもまた、5年前に離婚していたことを知って、子供たちは独立し彼も私と同じように新しい人生の意味を模索しているようでした。共通点が多いことに驚きながらも次第に私たちの会話は深みを増していきました。

ある土曜日、閉店間際になっても帰る気配のない健太郎さんに、思い切ってお誘いしてみました。
「よろしければ、お店の後、少し歩きませんか?」
私の心臓は大きく鼓動して、まるで10代の少女のようにドキドキドキ。

健太郎さんは少し驚いた表情を見せましたが、優しく微笑んで「はい、喜んで」と答えてくれました。

その夜、私たちは街の小さな公園を歩きながら、星空の下でたくさんの話をして子供たちのこと、仕事のこと、そして離婚を経験して感じたことなど、時間を忘れるほど話し込み、気がつけば夜も更けていました。

「また来週も、閉店後に少し話しませんか?」と健太郎さんの言葉に、私は心の中でガッツポーズをしていました。

それから毎週土曜日、私たちは閉店後に散歩するのが習慣になって、やがて季節は変わり、桜が咲く頃には、私たちの関係もゆっくりと、しかし確実に深まっていました。

ある日の散歩中、健太郎さんが突然立ち止まり、私の目をじっと見つめ「弘子さん」と、私の名前を呼びました。「来週の土曜日、お休みだと聞きました。よければドライブに行きませんか?」

私の心は大きく跳ねました。これは…デートの誘いでしょうか?散歩もデートみたいなものですが、それでも55歳にしてこんなにドキドキするなんて。でも、それと同時に不安も襲ってきて「こんな年齢で、新しい恋愛なんて…」

だけど健太郎さんの優しい眼差しに、そんな不安も吹き飛び「はい、喜んで」と答える自分の声が嬉しいながらでも少し震えているのが分かりました。

そして迎えた初めてのドライブデート。健太郎さんは、私の好きな海辺の町へ連れて行ってくれました。車中では、お互いの若い頃の思い出話に花が咲き、彼の運転する車の中で私はとても安心感を覚えました。

海辺に到着すると私たちは砂浜を歩きながら ふと、健太郎さんが私の手を取り「弘子さん、あなたと過ごす時間がとても幸せです」と言ってくれたのです。健太郤さんの言葉に私はとても嬉しくて「私も同じです」と想いを伝えました。

その日以来、私たちの関係はよりいっそう深まり週末のドライブデートが定例になったことに加え、時には美術館やコンサートにも出かけるようにもなり、彼と過ごす時間が私の人生に彩りをもたらしてくれました。

ただ、この関係に戸惑いがなかったわけではありません。「もう55歳なのに、こんな気持ちになっていいのだろうか」という思いが、時折頭をよぎって…。子供たちにこの関係を話すべきか、将来のことをどう考えるべきかと悩みは尽きなかったのです。

そんなある日、私はこの悩みを彼に打ち明けました。彼は真剣な表情で私の話を聞いてくれて「僕も同じように悩んでいたんだ」と健太郎さんの言葉に私は驚きました。

「でも、こう思うんだ。人生に年齢制限はないんじゃないかって。僕たちはまだ新しい幸せを見つける権利があるんじゃないかな」
その言葉に私の目に涙が溢れました。そうです!私たちにはまだ幸せになる権利があるのです。

それからの日々は、まるで光が差し込んだかのように彼との関係を不安になるのではなく、大切に育んでいこうと決心しました。

そして、ついに子供たちにも話す機会を持つことができて最初は驚いていた子供たちも、私の幸せそうな様子から次第に理解を示してくれるようになりました。

「お母さんの人生だから、お母さんの好きなように生きていいよ」長女の言葉に、胸が熱くなりました。

彼との関係は、ゆっくりながらでも着実に深まっていきました。お互いの家を行き来するようになり、休日には一緒に料理を楽しんだり、庭いじりをしたり。

また彼の趣味である写真撮影に付き合って、近郊の美しい風景を巡ることも楽しみの一つになりました。

先日、健太郤さんと一緒に温泉旅行に行きまして、その露天風呂から見上げた夜空の星々の下で、彼は私に「僕の人生の後半生を、一緒に歩んでくれませんか?」と。
その瞬間、私の中の全てが「Yes」と叫んでいて涙ながらに頷く私を、健太郎さんは優しく抱きしめてくれました。

55歳。人生の折り返し地点を過ぎたと思っていた私に、こんな素敵な出来事が待っていたなんて。

離婚を経験し、一人暮らしの寂しさを味わって『このまま孤独に人生を終えるのかな』と悲しくなることもありましたが、でも今は、人生に年齢なんて関係ないのだと心から思えるようになっています。

これからの人生、どんな喜びや困難が待っているのかわかりません。でも、彼と手を取り合って歩んでいけることを心から幸せに思います。

私は鏡の前に立ち自分の姿をみると、そこには5年前には想像もできなかったほど幸せな自分がいて、そんな私に光を与えてくれた彼に感謝でいっぱいです。

人生は本当に不思議で終わりだと思っていたところから、新しい始まりが生まれるのですから。

この経験を通じて人生に「もう遅い」なんてことはなくて、幸せを見つけるのに自分の心持ち次第なのだと本当に実感しました。そして、自分らしく生きること、心に正直に生きることの大切さをあらためて知ることができました。

彼と共に、一歩一歩、前を向いて歩んでいきたい。そう心に誓いながら私は今を大切に生きています。

人生は、いつだって私たちに驚きと希望を与えてくれます。年を重ねても、新しい出会いや感動は必ずあって、だから諦めずに自分らしく生きていくことが、55歳の私が見つけた人生の素晴らしさです。